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梅雨の晴れ間の有効活用ということで、今日は上野の美術館・博物館へ。
東京都美術館では、いくつかの公募展が開催されていました。 巷では、書道離れ・習字離れと言われておりますが、公募展を見ると、書とその周辺を学ぶ人々というのは、まだまだ多いのだということを実感します。 書を生業としている方も趣味で楽しんでいる方も、それぞれの立場で息長く続けることが、日本の伝統を継承することになるのだと思います。 国際化の進む時代だからこそ、自国の文化を大事にしていきたいですね。 続いて東京国立博物館へ。 まずは東洋館へ行き、平常展の中国書跡をゆっくり鑑賞。 ほぼ貸し切り状態。いつ来てもです。特別展で陳列されたら、人垣のせいでチラっとしか見られないような名跡が、いくつもいくつも並んでいます。 今日は、小社の教科書「書Ⅱ」11ページ掲載の呉煕載の篆書作品が展示されていました。 美術館・博物館へ足を運ぶ目的は、作品鑑賞のためであるのですが、私の場合は、職業柄、作品の色(墨色・紙の色・表具の色等)、劣化の度合などの確認と、作品の大きさを体感するためでもあります。 本を印刷する際、できるだけ実物に近い仕上がりを求めるためにも、日頃から実物を自分の目で見て、さまざまな情報を頭に詰め込んでおかねばならないのです。 そこでいつも疑問に思うことがあります。 陳列の仕方によると思うのですが、例えば雲母(キラ)が光る美しい料紙に書かれた古筆(高野切など)の場合、作品脇の解説文に「…雲母砂子を撒いた料紙に書かれており…」とあるにもかかわらず、その雲母が見えた試しがないということです。 光の屈折により、見えたり見えなかったりするのが雲母です。石山切や貫之集のような色鮮やかな料紙に比べ、やや地味な印象の高野切などは、雲母がキラッキラッと光ることで、「おおーーっすすごい。これは何かすごい作品に違いない。この奥ゆかしさ、何とも日本人好みではないか。」と思うもの。その雲母が一つも見えないのでは、古筆の最高峰たる所以が少々伝わりにくいのではないかと心配になります。 美術館・博物館の陳列担当の方々には、どうやったら光る雲母が見られるか、陳列ケースの脇に書き添えて欲しいなぁと思っております。 7/6まで、東京国立博物館の本館第3室では、「高野切第三種」の断簡一幅が陳列されています。私は今日、この幅の前で、右から左から下から斜めから…ありとあらゆる角度で料紙を観察しましたが、結局雲母の光るところは見られませんでした。 残念。 東京国立博物館 本館・東洋館・平成館 9:30~17:00(入館は16:30まで) 原則として4月から12月までの特別展開催期間中の毎週金曜日(2008年は3月20日(木・祝)~4月6日(日)の連日、および2008年4月11日(金)~11月28日(金)までの特別展開催期間中の毎週金曜日)は20:00まで開館。4月から9月まで(2008年は4月12日(土)~11月30日(日)まで)の土曜、日曜、祝日、振替休日は18:00まで開館。 休館日 月曜日(ただし月曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌火曜日に休館)、年末年始(12月28日~1月1日) ゴールデンウィーク期間とお盆期間中(8月13日~8月15日)は、原則として無休 入館料 一般600(500)円 大学生400(300)円 ※( ) 内は20名以上の団体料金。 ※高校生以下と満70歳以上の方は、平常展については無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証など)を要提示。 ※上記は平常展の入館料です。特別展の場合は別料金になります。詳しくは、東京国立博物館までお問い合わせください。 〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9 TEL 03-3822-1111(代表) 利用案内や展示・催しに関する問い合わせは ハローダイヤル03-5777-8600へ
by sho-editor
| 2008-06-25 17:07
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