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教育図書の教科書編集者が、書の魅力を少しでも多くのみなさんに。
by sho-editor
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日本近代文学館へ
先日ご案内いたしました「生きた、書いた女性文学者の手紙展」を見に、日本近代文学館へ行ってきました。
日本近代文学館へ_b0141827_13581727.jpg日本近代文学館は、目黒区の駒場公園内にあります。駒場公園は、その昔、旧加賀百万石の16代当主・前田利為侯爵の邸宅でした。
園内にはケヤキやクス、カシなどの大木が茂り、ひっそりと静かで、時おり野鳥がさえずり、都会の癒しスポットといった趣きです。
砂利の敷き詰められた園内を、文学館に向って歩いていると、足下を何かがにょろっと横切りました。「オオーーっ蛇???」一瞬ヒヤッとしましたが、都会の癒しスポットにそんな大物いるはずもなく、砂利の間で縦ジマの小さな小さなトカゲが震えておりました(たぶん)。



さらにずんずん奥へ進むと、昭和の香り漂う文学館の姿が見えてきました。
日本近代文学館へ_b0141827_14223021.jpg

受付で観覧料200円を払い、2階の展示室に上がると、静まり返った室内にはたくさんの原稿や書簡が陳列されておりました。
女性は家事に従事し、夫に従属して生きるのが当たり前だった時代に、文学での自己表現を貫くため、社会に挑戦した女性たち。
その女性たちと、夏目漱石や佐佐木信綱、高見順、大岡昇平などとの、美しい毛筆やペン字の往復書簡。
巨匠の叱咤激励が、彼女らが書き続けるためのモチベーションの一つだったんだろうなぁなどと思いつつ、やっぱり人間は誉められると伸びる生き物なのだということを実感しました。
恥ずかしながら、展覧会の主旨とは全く関係ない感想です。
『翡翠(かわせみ)』の作者片山廣子氏の毛筆書簡、夏目漱石同様達筆で、大変印象に残りました。
癒しを求め、駒場公園&日本近代文学館にぜひおでかけください。
# by sho-editor | 2008-06-27 15:17 | 展覧会
上野の美術館
梅雨の晴れ間の有効活用ということで、今日は上野の美術館・博物館へ。
東京都美術館では、いくつかの公募展が開催されていました。
巷では、書道離れ・習字離れと言われておりますが、公募展を見ると、書とその周辺を学ぶ人々というのは、まだまだ多いのだということを実感します。
書を生業としている方も趣味で楽しんでいる方も、それぞれの立場で息長く続けることが、日本の伝統を継承することになるのだと思います。
国際化の進む時代だからこそ、自国の文化を大事にしていきたいですね。
続いて東京国立博物館へ。
まずは東洋館へ行き、平常展の中国書跡をゆっくり鑑賞。
上野の美術館_b0141827_1611756.jpg

ほぼ貸し切り状態。いつ来てもです。特別展で陳列されたら、人垣のせいでチラっとしか見られないような名跡が、いくつもいくつも並んでいます。
今日は、小社の教科書「書Ⅱ」11ページ掲載の呉煕載の篆書作品が展示されていました。
美術館・博物館へ足を運ぶ目的は、作品鑑賞のためであるのですが、私の場合は、職業柄、作品の色(墨色・紙の色・表具の色等)、劣化の度合などの確認と、作品の大きさを体感するためでもあります。
本を印刷する際、できるだけ実物に近い仕上がりを求めるためにも、日頃から実物を自分の目で見て、さまざまな情報を頭に詰め込んでおかねばならないのです。
そこでいつも疑問に思うことがあります。
陳列の仕方によると思うのですが、例えば雲母(キラ)が光る美しい料紙に書かれた古筆(高野切など)の場合、作品脇の解説文に「…雲母砂子を撒いた料紙に書かれており…」とあるにもかかわらず、その雲母が見えた試しがないということです。
光の屈折により、見えたり見えなかったりするのが雲母です。石山切や貫之集のような色鮮やかな料紙に比べ、やや地味な印象の高野切などは、雲母がキラッキラッと光ることで、「おおーーっすすごい。これは何かすごい作品に違いない。この奥ゆかしさ、何とも日本人好みではないか。」と思うもの。その雲母が一つも見えないのでは、古筆の最高峰たる所以が少々伝わりにくいのではないかと心配になります。
美術館・博物館の陳列担当の方々には、どうやったら光る雲母が見られるか、陳列ケースの脇に書き添えて欲しいなぁと思っております。
7/6まで、東京国立博物館の本館第3室では、「高野切第三種」の断簡一幅が陳列されています。私は今日、この幅の前で、右から左から下から斜めから…ありとあらゆる角度で料紙を観察しましたが、結局雲母の光るところは見られませんでした。
残念。

東京国立博物館 本館・東洋館・平成館
9:30~17:00(入館は16:30まで)
原則として4月から12月までの特別展開催期間中の毎週金曜日(2008年は3月20日(木・祝)~4月6日(日)の連日、および2008年4月11日(金)~11月28日(金)までの特別展開催期間中の毎週金曜日)は20:00まで開館。4月から9月まで(2008年は4月12日(土)~11月30日(日)まで)の土曜、日曜、祝日、振替休日は18:00まで開館。
休館日
月曜日(ただし月曜日が祝日または振替休日の場合は開館し、翌火曜日に休館)、年末年始(12月28日~1月1日)
ゴールデンウィーク期間とお盆期間中(8月13日~8月15日)は、原則として無休
入館料
一般600(500)円 大学生400(300)円 ※( ) 内は20名以上の団体料金。
高校生以下と満70歳以上の方は、平常展については無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証など)を要提示。
※上記は平常展の入館料です。特別展の場合は別料金になります。詳しくは、東京国立博物館までお問い合わせください。
〒110-8712 
東京都台東区上野公園13-9
TEL 03-3822-1111(代表)
利用案内や展示・催しに関する問い合わせは
ハローダイヤル03-5777-8600へ
# by sho-editor | 2008-06-25 17:07 | 展覧会
教科書図書館
今日は、あることを調べるため、江東区にある教科書図書館へ行ってきました。
教科書図書館とは、財団法人教科書研究センターの目的を達成する事業の一つとして昭和52(1977)年11月8日 に開設されたもので、主として
  1. わが国の小・中・高等学校等で使用されている現行教科書
  2. 昭和24(1949)年以降の検定教科書
  3. 諸外国の教科書(わが国の小・中学校に相当する学校で使用するもの)
  4. 教科書の改善研究等に関する調査研究資料
  5. 教科書研究等に関する逐次刊行物・参考図書等
を収集・展示し、利用に供している図書館です。
今日の目的は、書道についてではなく、同じ芸術科目の中の「美術」の教科書というのがどんな作りになっているのかなぁということを調べるためです。
教科書図書館_b0141827_16462644.jpg
教科書図書館_b0141827_16464881.jpg

美術の教科書というのは、とてもカラフルで、内容も多方面にわたっており、高校の教科書ともなると、私の目にはとても専門的で高度なものに映りました。
たくさんの教科書や指導書を見ているうちに、いろいろと考えるべき事が見つかりましたので、他教科の仕事を見るというのは勉強になるもんだなぁとつくづく思いました。
教科書図書館_b0141827_1754538.jpg

高校で美術を選択していたら、自分にどんな影響を与えたのかなぁなんてことを考えながら、図書館を後にしました。
教科書図書館は、一般の方も利用できます。昭和24(1949)年以降の教科書は、全会社・全教科そろっています。自分が学んだ教科書を探しに行かれてはいかがでしょうか。

財団法人教科書研究センター附属 教科書図書館
開館日・開館時間
月曜日~水曜日 9:30~16:30
休館日
木曜日~日曜日、国民の祝日・休日、年末・年始
(このほか整理の都合上、臨時に休館することがあります。)
◆ 高等学校生徒以下の方は原則として入館できません。
〒135-0015
東京都江東区千石1丁目9番28号
TEL 03-5606-4314
FAX 03-5606-4392
※臨時休館の場合もありますので、当日教科書図書館にお問い合わせの上お出かけください。
# by sho-editor | 2008-06-24 17:14 | 教科書
「生きた、書いた女性文学者の手紙展」 ―鮮烈に生き、文学に命を賭した女性たち―
今回は、肉筆が見られる展覧会ということで、東京・駒場にある日本近代文学館の特別展のご案内です。
「生きた、書いた女性文学者の手紙展」と題して、与謝野晶子、林芙美子、岡本かの子など23人の近現代女性文学者たちが、友人や編集者らに宛てた書簡や自筆原稿が、7月5日(土)まで展示されています。
女性の社会進出という点ではまだまだ厳しい状況にあった時代に文学者となる道を選んだ女性たちの、理想の追求の足跡、壮絶な闘いを乗り越える姿など、作品からはうかがい知れない苦悩や喜びを伝える肉筆資料ばかりです。
パソコンや携帯電話などない時代に生きた人々の心の交流、ぜひこの目で見ておきたいと思います。

生きた、書いた女性文学者の手紙展
―鮮烈に生き、文学に命を賭した女性たち―

2008/6/7(土)〜7/5(土)
※日・月曜日・6/17/~21、6/26/(木)は休館日
9:30〜16:30
日本近代文学館
〒153-0041 東京都目黒区駒場4-3-55(駒場公園内)
京王井の頭線 駒場東大前駅(西口)徒歩7分
路線バス(渋谷-幡ヶ谷 30分間隔)代々木上原 徒歩2分
TEL 03-3468-4181
観覧料:200円(中学生以上/団体20名以上100円)
# by sho-editor | 2008-06-20 13:39 | 展覧会
第36回 「日本の書展」東京展
今週も、展覧会のお知らせからスタートします。
第36回 「日本の書展」東京展が、国立新美術館で開催されています。
また、「東大寺御宝・昭和大納経展」も、ほぼ同時期に大倉集古館で開催されています。
「東大寺御宝・昭和大納経展」とは、昭和53年、東大寺大仏殿昭和大修理を記念し、書道界を挙げて奉納した「華厳経六十巻」について、発願から30年目に当たる今年、奉納事業に参加した書家から、「もう一度拝見したい」「後進にもこの大事業を見せたい」という希望が多く寄せられたため、大阪で東京で展覧会として開催することになったのだそうです。東京展は、7月21日(月・祝)までです。
詳細は、主催の財団法人全国書美術振興会HPでご確認ください。

第36回 「日本の書展」東京展
2008/6/12(木)〜6/22(日) ※6/17(火)は休館日
10:00〜18:00[入館は17:30まで]
国立新美術館(展示室1A・1B・1C・1D)
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
TEL 03-5777-8600 (ハローダイヤル)

「東大寺御宝・昭和大納経展」東京展
2008/5/24(土)〜7/21(月・祝)
※月曜休館日 但し、6/16と7/21は開館
10:00〜16:30[入館は16:00まで]
大倉集古館
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2-10-4
TEL 03-3583-0781
入館料 一般 1000円/大学・高校生・65歳以上 800円/中学生以下 無料
# by sho-editor | 2008-06-16 15:29